抄録
電子ペーパーはその省電力性や表示の可変性を生かし、公共スペースなどでの広告や案内板としての利用が見込まれている。その一環として仙台市地下鉄では、駅ホームの対向壁にある電照広告枠に電子ペーパーサイネージを設置し、情報や広告を配信する試みを行っている。本研究では電子ペーパーの可変性を生かし効果的に広告を展開するため、地下鉄利用者を対象とした広告ニーズを調査した。まず地下鉄仙台駅に電子ペーパーサイネージが設置される前の段階で、インターネットアンケートシステムを用いて、全国の地下鉄利用者を対象に関心のある駅構内広告の内容などについて尋ね、電子ペーパー広告化する意義の検討をした。そして次に電子ペーパーサイネージ設置後の仙台市地下鉄の駅ホームにて、実際の利用客の行動や広告の好みについて調査し、電子ペーパー広告の有効性の検証と、既存の広告との比較を行った。2つの調査から、デジタルサイネージは人々のニーズに合っているが、認知度向上の余地はまだ残されていると考えられた。今後コンテンツの更なる充実や、誘目性の高いデザインを追求することにより、広告媒体としての価値がさらに高まることが期待される。