本研究では、ユーザ・インターフェースの操作の「手応え」に着目する。そして、「手応え」を得るための音や振動といったフィードバックを体系化し、その「手応え」をデザインするための要素を見出すことを目的としている。本稿では、プロトタイプの制作とそこから得た「手応え」に関する考察を報告する。
日常生活で人は、行動に対して何らかの反応を感じている。人がモノを扱う際にはそのモノからユーザへ伝達される感触がある。本稿ではこれを「手応え」と呼ぶ。日常の行動を観察し、それに基づく行為と音や振動といったフィードバックをデザインする。そうすることで、「手応え」を別のモノへの置き換えることができると考えた。
この考えからプロトタイプを制作し、ユーザの評価から「手応え」のデザインに関して以下の4つの要素が重要であることがわかった。 1.音のリアルさ:サンプリングした音とユーザの「手応え」に対するイメージのズレ 2.音の発生する場所:場所による「手応え」への影響 3.フィードバックの発生のタイミング:間接的な操作に対する「手応え」の違和感 4.ユーザが受ける印象:「手応え」の付加による、機器の機能の強調。