日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第57回研究発表大会
セッションID: G17
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「気持ち悪さ」の持つ誘目性
*若松 くるみ金 美英小山 慎一日比野 治雄
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抄録

本研究では,「気持ち悪さ」の持つ誘目性について視覚探索課題を用いて定量的に評価した.同時に,その他の印象が探索時間に与える影響についても検討した.
提示刺激は,気持ち悪い画像(「蛾」か「幼虫」)と気持ち悪くない画像(「花」か「キノコ」)であった.被験者には,一度に3行×3列の格子状に並べた画像を提示し,その中に1枚だけカテゴリーの異なる画像(ターゲット画像)があるかないかを判断させ,その判断時間を測定した.ターゲット画像は気持ち悪い画像の場合(その他8枚は気持ち悪くない画像)と気持ち悪くない画像の場合(その他8枚は気持ち悪い画像)の2種類があった.ターゲット画像がない場合は9枚全てが同じカテゴリーに属していた.
実験の結果,ターゲット画像が気持ち悪い画像の場合の判断時間は,ターゲット画像が気持ち悪くない画像の場合よりも有意に短いということが示された.このことから,気持ち悪さには誘目性があることが明らかになった.更に,ターゲット画像の気持ち悪さがその他8枚の画像よりも強いほど,誘目性は高くなるということがわかった.また,「不気味だ」「嫌い」「珍しい」などの印象に同様の効果が見られた.

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© 2010 日本デザイン学会
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