日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第58回研究発表大会
セッションID: P01
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プロトタイピングが異分野学生間の合意形成に及ぼす影響について
異分野学生が参与する産学共同製品開発プロジェクトを通した仮設モデルの生成
*野村 昌由長崎 陸木谷 庸二藤戸 幹雄
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抄録

社会においてデザインの対象となる領域が拡大の一途を辿っており、「プロトタイピング」「異分野横断型プロジェクト」等をキーワードに「デザイン思考」型アプローチへの注目が高まっている。 プロトタイピングを運用した製品開発プロセスは、従来型の開発プロセスとは異なる枠組みであり、“最終案に向けてアイデアを創出・取捨選択し、合意を形成するプロセスに対して、どのようにプロトタイピングが影響を及ぼしているのか”という点についての具体的な解釈がなされていない。 そこで本研究は米スタンフォード大主催のME310 Projectに参加した日・芬学生6名を対象に、質的研究法であるグラウンデッド・セオリー・アプローチによる分析を行い、分析の結果、プロトタイピングが合意形成に及ぼす影響に関する35のカテゴリーを基にした仮説モデルが生成された。 仮説モデルからは「評価軸の対立によるプロトタイプ評価内容のばらつき」、「取り組むプロジェクト以外のタスクに起因する時間的制約が開発プロセスに与える影響の大きさ」、「作成するプロトタイプの種類、もしくは作業量によってアイデア選択時の発言力に差が生じる」といった知見が得られた。

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© 2011 日本デザイン学会
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