本研究では、タブレットなどにおけるインタラクション・デザインの可能性について検討した実験的な試作を報告する。 2010年5月に日本でもiPadが販売開始となり、にわかに電子書籍に注目が集まっている。米国のWiredはいち早くiPad用電子雑誌アプリ「Wired Magazine」を配信するなど多くの事例が既に実現されている。 紙媒体の書籍と比べ、電子書籍ではインタラクションを伴う情報提供ができるのが魅力の1つでもある。電子書籍は、端末を直接的に手にしながら情報を閲覧することから、Webサイトにおける電子書籍とは異なる読書体験も期待される。電子書籍は紙の本同様に目次を伴う書籍としてパッケージ化され、手に取れる商品として閲覧できる。一方でWebサイトのように情報を検索できたり、ソーシャル・リーディングのように読書による知を共有することも可能になっている。 従来の紙媒体の書籍では提供できなかった読書体験の検討も可能になってきている。 本研究では、電子書籍における読書体験のデザインとして、既存の紙媒体の書籍をもとに電子書籍のモックアップを試作しインタラクションの発想のパターンを類型化した。