現在の噴霧器は農薬や重量の問題から使いにくく、市民農園などの中規模農地での使用に適したものもまだありません。そこで、安全かつ簡単に市民農園で農薬散布ができ、園芸活動を活発にする農薬噴霧器を提案しました。まず市民農園の現地調査を行い、市民農園独特の特徴を把握しました。次に農薬噴霧器を使用し問題点の抽出を行いました。ここでは農薬自体の問題や農薬噴霧器の製品としての問題を発見しました。そして先の調査結果や機構の寸法・重量を考慮した上で、おもりとスタイロフォームによる簡易モデルを制作し、使用感の調査を行いました。この調査では噴霧器本体やノズルパイプの重量バランスに関して良い評価を頂きました。最後に、これまでの調査を元に最終提案モックを制作しました。革新的な点は、水圧に合わせて農薬を混ぜる機構を搭載したことです。本機構により希釈農薬を作る手間が省け、簡単かつ安全に農薬散布を行えます。また農薬を小型カートリッジに入れる方式を提案しました。これにより農薬ボトルを安全かつ簡単に着脱・交換できるようになります。そして、製造コスト削減のためにペットボトルをタンクとして使用することを可能にしました。