抄録
シェアード・スペースは、道路を安全で人間主体の空間に改修するために標識をはじめ信号や路上マーキングを撤去するものであり、従来のサイン計画とは逆転の発想である。サインによる直接的な規制や指示を行うのではなく、メタサインともいうべき環境や景観、利用者どうしの連携が人のジェントルな行動を促すと考えた、シェアード・スペースの考案者モンダーマンの視点は、高次のサイン計画であるウェイ・ファインディング・デザインに通じる。本研究の目的は、シェアード・スペースの理念と方法を把握し、日本において実現可能かどうか検討することである。本報では、シェアード・スペースの概念、ボンエルフまたはリビング・ストリートとの相違、ドイツ・ボームテでの試行、ハンス・モンダーマンの経歴を論じた。