抄録
20世紀までのデザインは,18世紀の産業革命以降,分業化・専門化・細分化され,数多くの高機能な人工物を効率的に生み出すことで,物質的な面での人々の生活を豊かにしてきた.しかし,それと同時に,デザイン情報の共有や協調デザインにおける難しさという新たな課題も生み出した.細分化された個々のデザインを統合するうえでは,対象や方法論に依存しない一般性を有する学問の基盤構築が肝要となる.本研究では,同学問としてのデザイン科学について,その文脈を概観するとともに,デザイン科学に関する研究の知見を包括的に蓄積していくうえでの一つの枠組みを提案した.そして,デザイン科学の基盤を構築し,広く社会に発信していくうえで重要となる,デザイン科学辞典の編纂について紹介した.