抄録
デザイン発想におけるスケッチの活用には,多くの効果が確認されている,しかしながら,従来の研究は,その効果に関するスケッチの詳細の要因については注目していないため,デザイン発想におけるスケッチスキルの役割や効果は明らかになっていない.本研究では,その役割や効果の明確化を目的に,プロダクトデザインにおけるスケッチのスキルとデザイン発想の関係性を明確化し,スケッチスキルの構造モデルを提案した.具体的には,まず,スケッチ教育におけるスケッチスキルの習得プロセスの観察と,同教育の受講生が描いたスケッチの評価を行った.つぎに,その結果を,ISM,数量化Ⅲ類,およびクラスター分析を用いて分析することで,スケッチスキルを構成する8つの要因を抽出し,同要因の関係性を包含する構造モデルを提示した.