雑誌は時代の“今”を映して積極的に表現し発信している。過去の日本において、雑誌にみられるデザインや文字・タイポグラフィが時代とともにどう変化してきたか、いかに時代の声に応えてきたのか。これらを文化的・社会的背景と比較・照会することで、日本におけるデザインの変遷や当時における役割、時代を反映する力について明らかにできると考える。本研究では、現在でも発行が続いている長寿の雑誌キネマ旬報に焦点をおき、創刊から第二次世界大戦までに発行されたキネマ旬報と時代との関連性を明らかにすることを目的とし、キネマ旬報の当時における立ち位置から探っていく。