抄録
約半世紀前、日本による台湾統治の影響で、日本の和室文化は、台湾の生活へ影響を与えた。また、1980年代の台湾の経済発展によって、社会は裕福になり、「日本ファン」という文化現象も興った。それらのような契機によって、台湾では新築の物件に和室空間を設置することが多い。本研究の目的は、アンケート調査を通じて、現在の台湾における、和室の運用の状況を明らかにすることである。今回の調査結果は、建築の類型と和室の設置とその功能について分析したものである。結果は以下のとおり示す。1)台湾民家で和室を作る決定権は、おもに家族の年長者がもっている。デザイナーの意見で、和室を作った人は少ない。2)和室を設ける理由は、「空間の運用多様化」、「子供や高齢者のため」と「単なる和室のイメージが好き」などであった。3)台湾の和室の特徴として、高い床を持ち、木で作った床敷きの和室が多く、畳を用いる和室が少ない。また、およそ半分の和室では引き戸が使われている。4)和室は、寝室や書斎としての使用が最も多い。