抄録
本研究が対象とするショッピングディスプレイとは,デパートやショッピングモール等の小売店舗において,店の商品やサービスを道行く人に見せるための,商品を含めた飾り窓や店内の商品陳列棚のことである.現在,一般的なショッピングディスプレイは,商品そのものを見栄え良く陳列して装飾等で飾り付けた実物の展示(以下「実物ディスプレイ」)である.販売している商品を来店客は直接見たり,触れたり,手に取って,重さや形,質感などを体感的に感じることができるが,商品に関する詳しい情報は得にくい.一方,液晶ディスプレイなどを用いたショッピングディスプレイ(以下「デジタルディスプレイ」)が一部店舗に導入されており,大量の商品情報を文字や映像を用いて伝えることができるが,実物に触れることによる実体感や安心感は得られない.そこで,来店客が実物の商品に触れながら,同時により多くの情報が得られる,実物ディスプレイとデジタルディスプレイを融合した,対話型ショッピングディスプレイのシステムを構築した.来店客が商品に触れたり手を近づけると,その動作に反応して,商品や店舗の情報を商品の周辺に文字や映像で投影して知らせるものである.