抄録
近年、中国では広告や書籍の見出しに用いられる書体のみならず、本文用書体にもさまざまな書体が登場してきた。しかし、既存の分類方法は、大きなカテゴリーに分類する方法であり、同一カテゴリー内に存在するより微細な書体の違いに適用させることは難しい。このような問題にたいして、本稿では、中国語本文に用いられる代表的な9つの宋体と7つの方黒体を対象とし、計量可能な書体の属性に着目することによって検討した。字幅と字高、平均字面率、フトコロの広さを測定した上で、クラスタ分析を行った。その結果、宋体の4つのグループと方黒体の3つのグループが分けられ、それぞれの特徴をより容易に互いを区別することができることを示している。