抄録
形や構造についてのデザイン案を得るために, コンピュータアルゴリズムを使用する創発的なアプローチが今日普及しつつある. この方法は,複雑度が高く非線形性に富んだ形態を, デザイン対象が存在する場に適応する様式で実現し易いという利点を有する. 本発表では, そこで使用されるアルゴリズムを形式言語の視点から考察することで, アルゴリズム的アプローチの新たな可能性を検討する. 基本的な形態生成システムである L-system を論考の基点とし, それを言語の複雑さの理論であるチョムスキー階層に照応することで, アルゴリズムの表現力における潜在性と相互作用の重要さを示す. また, アルゴリズムにおける意味付けと解釈の問題についても言及する.