近年、IT技術によって仕事の電子化が進む一方、オフィスには依然として大量の紙が残っている。筆者らは、なぜ紙と手作業が存在しているのかを知るため、ドキュメントに関するワークの実態を明らかにする探索活動と、ワークの支援方法を提案する企画活動を実施した。 その際、活動の観察を基点にソリューションを設計するHCDプロセスを用い、また、デザイン部門、企画部門、開発部門、顧客に加え、ビジネス化を実現するために現場営業、システムエンジニアとも協業を行った。その結果、幅広いワークで人やシステムをつなぐ、電子の文房具感覚の商品を生み出した。本稿では、HCDから得られた現場の気づきと、そこからソリューション設計し、ビジネスに至ったプロセスを報告する。