抄録
日常生活に見られる視覚メディアのコンテンツには、その構成要素として文字や画像等がある。可読性や視認性を向上させることを目的として、紙面や画面上にレイアウトするときに「スペーシング」や「アイソレーション」等の視覚調整が行われている。しかし、視覚調整は、デザインの専門教育機関で教育や、デザイン業務の中でデザイナーらの専門家の経験則により感覚的に捉えられている。また、その視覚的影響の要因については科学的に実証されていない。従来、美術・デザインの分野においては構成要素やその相互関係によって生じる緊張感を指す「シュパヌンク」と呼ばれる概念で捉えられてきた。これまでの「シュパヌンク」に関しての考察は、ケペッシュによる「空間的な力の場( Field of spatial forces )」、武井による「空間勢力」、及び片山による「空間力」等が挙げられる。本研究では、片山に準じて「空間力」と記述し、筆者のこれまで受けてきたデザインの専門教育や広告制作の現場での制作体験に基づき、幾何学的平面図形の外部に生じる空間力の仮説を立てた。また、この仮説と関連する先行研究の成果との比較検討を行った。