抄録
本研究は、ADL(日常生活動作)の大部分が未発達で、食事、排泄、コミュニケーションなどに介助を必要としている精神発達遅滞児を対象に行った。この児童は、1)泣き出す前に歌う歌がある、2)音を集中して聞く、など意思や興味を示す行動をとる。このような意思や興味を生かして教育・訓練を行えば、ADLの向上に繋がると考える。以上から、様々な実験を行い、その結果を基にADLの自立・向上を目的とした支援用具・環境のデザインを検討した。1)言葉の記憶力とコミュニケーションとして(1)「お母さん」と呼ばせるための絵本制作、(2)小声での言葉の掛け合い、2)言葉の意味及び生活動作の認識力として(1)スライドショーアプリを用いた言葉認識訓練、(2)動画編集アプリで食事行為を認識させる訓練、(3)動画編集アプリでトイレの自立訓練、3)行動・体験で自立を促す訓練として(1)トイレを楽しむための装飾遊び、(2)トイレでの排泄支援台、(3)スプーンですくう動作訓練、(4)グリップ付きスプーンで食べやすさの検討、(5)食事行為を連続させるための食器製作、などを実施し、本人の生活自立の可能性が確かめられた。