抄録
本研究は,盲導犬とユーザーの安全で快適な歩行を実現するために,歩行時の盲導犬とユーザーの負荷の定量化を行い,その負荷を低減するハーネス,盲導犬からの情報をより的確にユーザーに伝達するハーネスの開発を目的としている。本報では,ハーネスを設計するために必要な盲導犬とユーザーの位置関係の把握と形態最適化の手法を用いた双方の負担を低減するハーネスの形態創生について報告している。
盲導犬とユーザーの位置関係について,側面から撮影した写真から測定した結果,盲導犬側の金具位置からユーザーの持手位置までの水平距離は盲導犬の体高およびユーザーの身長による影響が少ないこと,垂直距離はユーザーの身長による影響を受けるが身長差に比べてその影響が小さいことが明らかとなった。
直線型から楕円型への形態移行を設計変数とした形態最適化では,盲導犬の両肩にかかる負荷の差を目的関数と設定し,この目的関数を最小とする設計変数を求める応力解析を行った。応力解析の結果,形態移行を示す係数αが0.717の時に最適解を得た。