日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第62回研究発表大会
セッションID: PB1-01
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台湾における「官将首」の民俗文化から発想する商品開発の提案
新荘地域の地蔵庵を例として
Li Yu-YunLi Yi-XuanLo Tsai-Yun
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抄録

台湾では、今でも民間信仰が盛んで、各地に、そのような寺院が多く見られる。そして、毎年、 多様な場所で、多様な時間に、多様な祭りが行われている。祭りの行列は「陣頭」と呼ばれ、踊り 子、祭り囃子の奏者、神輿などが列をなし、町をねり歩く。「官将首」は「陣頭」の一つで、新荘の 地蔵庵が発祥である。「官将首」の「陣頭」は二人が基本の形であり、地蔵菩薩の護法将軍の仮 装をしている。二人、三人、五人、七人、またはそれ以上の将軍で構成され、各将軍の仮装やア クセサリーもまちまちである。例祭の時には、行列の前に立ち、厄除祈念や招福祈願の儀式をし、 町をねり歩き、人びとに加護を与える。現代では、生活様式が変わったことで、この祭りにおける住 民の連携は薄くなり、その文化的意義も薄まりつつある。 本研究の目的は、「官将首」の文化を再認識する事ができる生活用品の開発である。研究成 果として、「官将首」の民俗文化から、意匠特質を抽出し、「官将首」がもつ「加護」と「先導」とい う信仰的意味をのせた緊急用の照明器具を開発した。

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© 2015 日本デザイン学会
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