本研究は、大川家具工業会と2012年から2014年の期間に実施した産学連携活動の推移と成果を報告するものである。大川家具とは、福岡県大川市周辺で生産される家具のことを指し、480年の歴史がある。近年、家具の生産高、売上高が減少し、その対策のひとつとして2012年に、大学と大川家具工業会による産学連携が始まった。これまでの成果として、女性消費者を対象とした家具開発の可能性、市場ニーズに適合した家具・雑貨の商品化などがある。本研究では、産学連携により「地域が期待する人を育てる→その人が地域に受け入れられそこで活動、活躍する→地域で活動する人を媒介に再び大学と係わり(産学連携や教育支援など)、次の人を育てる」という循環型の人づくりに発展する可能性が示唆された。