日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第62回研究発表大会
セッションID: A10-02
会議情報

分散型錫製鍋敷きのデザイン研究
葛原 俊秀藤澤 忠盛
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

本研究では現代の鍋敷きの調査・分析を行い、分類化し、時代に相応しい新たなる鍋敷きを研究・デザインすることを目的とする。数多くの鍋敷きを調査・分析した結果、もはや鍋敷きは道具・器具ではなくデザイン性豊かな1つのインテリアプロダクトとして進化していると言える。私たちは、鍋敷きを、鍋を火元から降ろし、さっと机の上に配置するタイプの配置型、鍋の大きさによって、もしくは収納を考えて形態を変形させる変形型、同形状のものを鍋の大きさや種類によって複数個、机上に配置し、安定をもたらす分散型という3つに分類した。そして、いかに付加価値をデザインするかを重点的に検討し、新しい鍋敷きを提案し商品化を行った。5つの小さな錫性のピースからなる分散型鍋敷きである。1ピースの形状はまるで「おはじき」のようであり、机にパラパラと5つのピースを落とすとそこに鍋敷きが現れる。鍋を置くまでの一連の「所作」までを含めデザインした。分散型の特徴を最大限に生かし、視覚的な軽快さ、「これが鍋敷きなの!」という驚き、また遊び心も持ち合わせている。さらに、鍋敷きとして使わない時にはテーブルアクセサリーとしても存在感を放つ。

著者関連情報
© 2015 日本デザイン学会
前の記事 次の記事
feedback
Top