抄録
本研究は、市場のコモディティ化を背景に、ブランディングや差別化戦略などのデザイン開発の一助となるような成果の創出を目的として、製品デザインの類似判断に関わる形態要素とその影響度の関係を定量的に明らかにしたものである。 市場規模・動向から研究対象をミラーレス一眼カメラに絞り、客観的な水準設定と直交計画表によってパターン化したサンプルモデルを用いた印象評価実験を行った後、コンジョイント分析によって類似判断に影響する形態要素を特定しその影響度を部分効用値として明らかにした。結果としては、上面形状・素材分かれの違いは同程度の大きな影響力を持ち、レンズ位置・レンズ径の違いは中程度の影響力を持つことが明らかになった。全体としては、細かな形態の違いよりも全体の構成に関わる要素に注目が集まりやすく、フロントビューの形態情報に類似判断の重点が置かれる傾向にあることが示唆された。以上の結果から、これらの形態要素を中心に比較対象や印象を変えたい度合いに応じた形態変更を行うことで、より精度の高い差別化やブランディングが行えると考えられる。