本研究の目的は、横浜市の「ダブルケア問題」に関連するイベントに参加し、オープンデータを駆使し問題解決に向かおうとするステークホルダーの関係性を明らかにすることである。 そのようなステークホルダーが集まるイベントにおいて著者らは、「情報の可視化」や「グラフィックファシリテーション」を活用し、コミュニティの一員として参加することで各ステークホルダーの関係性を観察し、以下のことがわかった。 ダブルケアの研究会やイベントには、様々なステークホルダーが参加していたが、そのイベントの多くは会議型で、各々の立場でダブルケアにかかわる活動や要望を意見し合うだけで、すれ違っていたものが多かった。 しかし、ダブルケア問題は、子育てや介護、その他複数の社会問題を横断しているため、その関係者も横断的に協働する必要があるが、一部のイベントでは、会議型ではなく参加者が対等な立場で議論し、協働することで問題解決に向かおうとするフューチャーセッション的な場が少なからずあった。このような協働しながら問題解決に向かうフューチャーセッション的な場が、今後必要になってくると考える。