日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第63回研究発表大会
セッションID: PD-26
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縄文土器のリデザイン手法の提案
八戸の是川縄文土器を事例として
五十嵐 七果横溝 賢千葉 智美冨田 奈都美
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抄録

青森県八戸市には、国宝に指定されている合掌土偶が発掘された是川縄文遺跡があり、縄文文化は身近な存在である。縄文土器の形式上の区分は、草創期・早期・前期・中期・後期・晩期の6期に分かれる。是川縄文遺跡は、縄文前・中期を中心とする一王寺遺跡と中・後期の堀田遺跡、そして晩期の中居遺跡の3つの遺跡の総称である。同遺跡において筆者は、中居遺跡の晩期の土器の文様に興味を持った。縄だけで文様付けされている縄文初期の土器とは違い、中居遺跡の土器は、幾何学的な文様と縄文様を組み合わせて土器を彩っており、その現代的な造形に興味を持った。この中居遺跡を含む是川縄文土器には、各期の装飾、形状が見られ、縄文の装飾様式の集大成といえ、その複合的な芸術性に価値があると言える。しかし、縄文土器は現代の人にとって考古遺物であり、歴史的な造形や様式を楽しむオブジェクトとしてしか認知されていない。こうした背景から現代の人が、縄文土器の様式美を感じながら、日常生活で楽しんで使用できるアクセサリーをデザインした。本稿では、縄文土器のデザイン言語を使ったアクセサリ-デザインの発想法とその成果について報告する。

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