抄録
今までの研究ではカラーやデザインなどの順位は度数的な選好順序が中心である。しかし、人間の矛盾を持つあいまいな回答に関する順位の研究はされていない。そこで、区間AHPを用いて意思決定者のあいまいな回答の順序を自動車のカラーと造形に関する事例を通じて調査分析を行った。 その分析・考察の結果から、色彩の場合、上位の順位がほぼ確定し、下位になると区間値の幅が広がるため順位が確定しなかった。造形の場合、矛盾が下位に多少あるが、順位の確定しない矛盾が少ない。クラスター分析による各グループ化された特徴が示されたことから、選好順位が異なるグループがある。つまり、矛盾の多い対象ほど上位は比較的順位が確定し、下位に矛盾が生じる傾向が示された。