抄録
透明視は、人間の視覚構造に関する探求過程で発見された現象であり関連研究も多い。しかし、これまでの知見は、2つ以上の図形が部分的に重なって知覚されることを前提に導かれたため、色彩効果と透明視の純粋な関係が導かれているとは言い難い。そこで、本研究では、色彩効果に限定し、透明視の発現要因を探った。「図形を並置させ重なり知覚を排除する」、「加法・中間・減法の混色法に従い、有彩色と無彩色を組み合わせる(要因を混色法と人の視覚構造の関係から導く)」を条件に、評価実験に用いる108点の試料を作製した。評価は、モニタ上に試料を表示し、各試料について被験者に「透明に見えるか」、「混色として適切か」の2項目を回答させた。その結果、主な知見として「正確な混色と知覚された配色は、透明と知覚される傾向にある」、「左右の1次色とこれらの混色である2次色の明度差がL*≒20の時に、透明視が発現しやすい」、「2次色が最も高明度となる配色は、透明と知覚されにくい」の3点を得た。