抄録
ミュージアムには学芸員、来館者、デザイナー、ボランティアなど多様なステークホルダーが関わっており、彼らの間では相互に触発し合うコミュニケーションが生まれている。近年の研究では、ミュージアムでの触発体験を支える装置(インストゥルメント)の特徴を検証し、触発に関わる16の因子を同定している。一方で筆者は自身の経験からインストゥルメント開発過程においても触発するコミュニケーションが生まれ、それにより展示が様々な視点を取り入れたより良いものになるのではないかと考えた。そこで本研究では市立函館博物館での触発型インストゥルメント開発に着目し、ボランティア、学芸員、デザイナー(筆者)の関わり方を分析した。その結果、開発過程においても触発に関わる因子を発見することができ、触発体験によって開発がより良いものになっていることが明らかになった。