日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
セッションID: D6-02
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ワークショップのプロセスの複合的・構造的記述
北 雄介*坂口 智洋*久富 望
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抄録

デザインプロセスは、いくつかに分割し、それを分類することで理解されることが多い。しかし現実のデザインプロセスは、多様な活動や思考が入り混じりながら展開する、複雑なものではあるまいか。本稿ではデザインプロセスの複雑さを担保しながら、かつ構造的に記述する文法を開発し、複数のワークショップのプロセスに適用する。記述文法は、ひとまとまりの活動を単位として時系列での活動の配置を工程表のように表現する構造と、アイディアや制作物などの要素の変遷をネットワークのように表現する構造という、二つの構造から成る。また実際の記述はPreziというオンラインプレゼンテーションツールを用いて行なう。この方法で8つのワークショッププロセス記述を得、考察を行なった。まず活動単位の構造と要素遷移の構造は互いに交錯し、アイディアの進化が必ずしも活動順序通りに線形に進まないことがわかる。またワークショップの時間経過に従ってアドホックな議論が展開されるようになり、構造が不明瞭になる傾向を見出すこともできた。本稿で提案する文法は、さまざまなデザインプロセスを記述・分析するために一定の有効性をもつと筆者らは考えている。

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© 2017 日本デザイン学会
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