抄録
オレゴン州ポートランドで2012年に生まれたDesaster Reliaf Trials(以下DRT)は災害を想定した自転車レースであり、オレゴン州内のベンド、ユージーンの他、シアトル、サンフランシスコやメンフィスなど他州の都市に展開している。DRTは震災で発生したデブリにより自動車交通が寸断された状況で、自転車で物資を運ぶサプライランを想定したレースである。筆者は筑波大学創造的復興プロジェクトにおいて、コミュニティのレジリエンス向上を目的に、手作りの竈をカーゴバイクで移動させて米を炊く「竈プロジェクト」の活動を行ってきた。DRTと同様の目的のため、活動に活かすべく調査を行った。その結果、防災訓練という意味深い活動を楽しく実施することで、参加者が日常的にそれを意識することができる状況を生んでいる状況が見受けられた。