抄録
青森県十和田市の奥入瀬渓流には300種以上のコケが着生しており、この多様なコケが林床となり、豊かな植生環境が形成されている。NPO法人奥入瀬渓自然観光資源研究会では、このコケを中心とした自然環境をフィールドミュージアムに見立て、コケのネイチャーツアーをプロデュースしている。
しかし、国内でもコケのネイチャーツアーは事例が少なく、また、同渓流域における蘚苔類の生態調査データの共有も進んでおらず、ガイドは情報交換を相互に行いながらガイディングのノウハウを蓄積している状態である。
このような状況において筆者は、イラストによる振り返りメディア(IRM)をデザインし、ツアー毎にどのような蘚苔類を発見し、どのような観察体験があったのかの出来事を記録にまとめれば、旅行者のツアー体験の振り返りを支援するだけでなく、ガイドの知識の集積にも役立てられるのではないかと考えた。