抄録
茨城空港の近くに建設された空のえき「そ・ら・ら」(以下「そ・ら・ら」)の重要方針は、「地域再生」や「市民が主役の施設」だった。筆者は、小美玉市市役所の空の駅準備室に情報・環境デザインの専門家として招聘され、「そ・ら・ら」の運用やオープン後の利用施策を効果的に実行する市民参画を任された。2006年に3町村が合併し誕生した小美玉市だが、市民の多くは合併前の各町村の魅力について認識していなかった。小美玉市民の地域に対する愛着の欠如に課題を感じ、市民参画による地域の魅力再発見活動の運営を通じたシビックプライドの醸成から地域再生に寄与するデザインの研究を開始した。フィールドワークや意見交換会を通じて再発見した小美玉市の主な魅力は、卵生産量が日本No.1、乳牛頭数茨城No.1、などだった。 「そ・ら・ら」オープン後、卵と牛乳それぞれをテーマにした独自性の高いイベントを企画・実施し、市民や多組織をまとめあげ、閑散期に十分な集客を実現しただけでなく、経済的利益も創出できた。このように地域住民自らが地域再生に寄与するきっかけとなる地域の魅力発見活動と情報と場づくりのデザインの可能性を考察した。