抄録
IoT(Internet of Things)と称される、ネットワークに接続することにより効果を発揮するデジタル機器や家電商品の提案に注目が集まっている。IoTに関する製品開発ではデジタル機器やハードウェア、ソフトウェアを商品化するために多様な技術が必要とされ、開発の初期段階から開発者やデザイナーがコミュニケーションをとりながらアイデアを検討する方法が模索されている。短期間で新しい価値を提案することが期待され、異分野の企業や技術・ノウハウを活かして新事業へと昇華させる「共創型」に注目が集まっている。
本研究の目的は共創活動を観察し実践者(学生)が他領域の専門家といかにコミュニケーションを図り、知を共有するかについて考察することである。考察から得られた知見を元に、共創デザインの教育プログラムにふさわしいプロセスや手法のデザインを目的としている。先行研究から共創デザインの教育プログラムでは実践者が当事者意識を持つことが重要だと知見を得た。当事者意識を醸成するための方策として1)当事者によるスケッチ、2)紙立体を活用したラピッドプロトタイピングの2種類のアイデアの可視化手法に注目した。