抄録
食欲は視覚による影響が大きく、視覚に障がいのある子どもは、
食事に関する視覚的イメージが持てず、食事に対して強い意欲が
わきにくい。また、視覚障がい者は、クロックポジションで食器の
向きや位置を理解するが、未就学児は時計の理解がまだ未完成
なため、食器の向きや位置を理解することも困難である。食べ物の
熱さも「グツグツしている」や「湯気が上がっている」など、視覚に依
存する部分が大きく、触って理解することは危険である。その結
果、食べ物への恐怖感や億劫感が働いてしまうことも多い。
また、視覚障がい児専用の食器セットというものはほとんど見ら
れず、既存の食器に子どもたちに使いやすい工夫をするなどして
対応をおこなっている。
以上より、これらの課題を解決し、「食」が楽しくなる食器セット
の提案を行う。食事の不便、不安を解消し「食」を楽しみ、子どもた
ちが少しずつ1人でも食べられるようになることを目的とする。
当研究では、盲児、弱視児ともに楽しく食事ができるよう双方に
配慮した工夫を行った。また、視覚障がい児の食事に特化するだけでなく、
多くの子どもにとって、すくいやすく、持ちやすい形になるよう考慮した。