抄録
近年の市場の成熟化に伴い多くの領域で各社が提供する製品やサービスのコモディティ化が進んでいる。コモディティ化から脱するための方策の一つとして、マーケティングの領域では消費者の五感に訴えかける感覚マーケティングの有効性への認識が高まっている。感覚マーケティングの一つとして、製品や広告、サービスなどにノスタルジックな要素を取り入れて消費者に過去を想起させ懐かしさや郷愁性を刺激する方法が挙げられる。ノスタルジアは個々人によって異なる「個人的ノスタルジア」と複数の人が共通感覚として持っている「歴史的ノスタルジア」の2つに大別出来るが、中でも消費者行動論の分野では「歴史的ノスタルジア」について明らかにする事が大切だと言われている。本研究では製品デザインに着目して歴史的ノスタルジアを喚起する要因は何か、主に形態的側面から解明することを目的とする。調査の手法としてはアンケートとインタビューの2つの調査を行い、量的調査と質的調査の2つの調査を複合的に見る事で使いたいと感じさせるノスタルジア製品のデザイン要因を探った。