高齢化社会である日本において,介護保険サービスは,ますます重要な役割を担うようになってきている。しかしその複雑さから,介護者とその家族はサービスを能動的に選択していない事が多い。前報で筆者らは,「サービス選択」に着目し,介護サービスのサービス選択における課題を把握し,デザインによる解決策を模索した。結果すごろく盤と,カード,ボード盤から成る介護サービス選択支援ツールを作成し,検証を行った。検証として,想定されるユーザーに対し,アンケート調査とインタビュー調査およびユーザビリティテストを実施した。
その結果,アンケート調査では,概ね好評価を得られた。しかし,ユーザビリティテストにおいては,いくつかの課題が発見された。これらには,ツールのシステム化によって解決できる問題が含まれていた。本研究では,これらの課題,現状を踏まえ,さらにツールを発展すべく,タブレットを中心としたシステムの制作を行った。