日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
セッションID: A1-05
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衣服の色彩選択と体調に関する調査研究
*昆野 照美柿山 浩一郎
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抄録

人間のあらゆる生活シーンには、衣服や持ち物などの色彩を選ぶ機会がある。その際の選択基準は、人間個々に異なるものである。

前研究では、眠さ感と色彩選択に関する調査研究を行い、体調が眠い時に選ぶ有彩色の色相が、元気や普通と回答した被験者と比較して、上下着衣とも、青系が多いという結果をえた。

本研究では、引き続き、日常生活における色彩選択行動と人間の心理状態に潜む関連性に着目する。88名の大学生の上下衣服の色彩を調査し、前研究のpccsによる色相のみの調査を、今回はマンセル値を使用することにより、明度や彩度の属性の分析を追加し、マンセル値の色相、明度、彩度の属性それぞれが体調と何らかの関係があるかを比較検討した。色相は、有彩色(R,YR~RPの10色相と無彩色(W,N,BK)毎に分類し、色相と体調の関係を数量化理論1類で分析したところ、色相と体調の相関関係は、r=0.80 r2=0.64であり、特に、上着衣の色相が、体調と相関が強い(r=0.78)傾向にあった。明度と彩度と体調に関しては、重回帰分析を行ったが、有意差が認められなかった。今回の調査研究の結果、色彩と体調の関係は、着装している上下洋服の色彩の3属性を使用すると、おおむね推測できることが分かった。

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