日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
選択された号の論文の276件中1~50を表示しています
  • 吉岡 聖美
    セッションID: A1-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
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    インタラクティブな画像の変化によってリハビリテーション動作を促し,リハビリテーション動作の運動量における達成度をアート作品の完成度としてフィードバックする「立ち上がって空に描こう!」のプログラムを開発した(特許出願中)。本プログラムを実行するVRヘッドマウントディスプレイを装着して上下運動を行うことによって,視界の画像が変化して風景画像を制作することができる。回復期リハビリテーション病院の入院患者が本プログラムを用いて立ち座り動作のリハビリテーションを実施したところ,本プログラムを用いない患者に比較して,運動の前後でリハビリテーションに対する「楽しさ」の評価が大きくなった。また,本プログラムを用いることによって運動回数が増加する傾向がみられ,長期間のリハビリテーションに楽しく取り組むことができると考えられる結果が得られた。
  • 松本 大志, 橘高 悠太, 加藤 健郎, 佐藤 弘喜
    セッションID: A1-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
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    曲線形状の「美しさ」は「複雑さ」と「秩序」が大きく影響すると言われており,本研究では,その中でも,「秩序」を定量化することを目的とした.はじめに,「秩序」に関する既存の研究をまとめ,曲線形状における「秩序」が,形状のもつ情報量の縮減の度合いであることを定義した.次に,情報縮減の主な要素である対称性を,群論とファジィ理論を用いて定量化する指標を提案した.最後に様々な曲線形状の認知実験を行い,提案指標の有効性を検証した.
  • 李 天宇, 加藤 健郎, 下村 将基, 芳村 貴正
    セッションID: A1-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
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    本研究では,光色(赤,青,緑,白)と,光を注視した時の脳活動の関係性を明らかにすることを目的とする.光色がヒトに与える影響を適切に評価するために,本研究ではNIRS(near-infrared spectroscopy)を用いて脳活動を計測すると同時に,官能評価を実施した.その結果,前頭前野の脳活動を計測することにより,光色の嗜好の度合いと覚醒度合いを客観的に評価できる可能性を示唆した.
  • 伊藤 汰地, 安井 重哉
    セッションID: A1-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
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    本研究では、ボタン押下時に指先で知覚する触覚要素の感性評価を行なった成果を述べる。押下は様々な触感で構成されていると考えられる。その押下を構成する要素の中から「押下力」「ストローク」「面積」「温度」の4つの要素とそこからユーザが抱く印象の関係を感性評価にて調べた。まずはじめに4つの触覚的要素を提示するための実験装置の制作を行った。実験装置は、”触覚的要素の定量的変更”、”重りによる釣り合い状態の生成”、”押下面を垂直に保ったままの押下操作”といった点から、ロバーバル機構を取り入れた装置を制作した。次に、実験にて被験者に質問する感性評価用語を選定した。選定では、「操作の出力結果」「操作の対象」「押し心地」に関連があり、その形容詞との関係が見つかることで、押しボタンの設計指標とできるような形容詞対を10個選定した。制作した実験装置を用いて、SD法に基づく感性評価を30名の被験者に対して行った。得られた結果を因子分析したところ触覚的要素ごとに印象に偏りが見られた。これらの結果を元にスイッチへの応用などが考えられた。
  • 昆野 照美, 柿山 浩一郎
    セッションID: A1-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
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    人間のあらゆる生活シーンには、衣服や持ち物などの色彩を選ぶ機会がある。その際の選択基準は、人間個々に異なるものである。

    前研究では、眠さ感と色彩選択に関する調査研究を行い、体調が眠い時に選ぶ有彩色の色相が、元気や普通と回答した被験者と比較して、上下着衣とも、青系が多いという結果をえた。

    本研究では、引き続き、日常生活における色彩選択行動と人間の心理状態に潜む関連性に着目する。88名の大学生の上下衣服の色彩を調査し、前研究のpccsによる色相のみの調査を、今回はマンセル値を使用することにより、明度や彩度の属性の分析を追加し、マンセル値の色相、明度、彩度の属性それぞれが体調と何らかの関係があるかを比較検討した。色相は、有彩色(R,YR~RPの10色相と無彩色(W,N,BK)毎に分類し、色相と体調の関係を数量化理論1類で分析したところ、色相と体調の相関関係は、r=0.80 r2=0.64であり、特に、上着衣の色相が、体調と相関が強い(r=0.78)傾向にあった。明度と彩度と体調に関しては、重回帰分析を行ったが、有意差が認められなかった。今回の調査研究の結果、色彩と体調の関係は、着装している上下洋服の色彩の3属性を使用すると、おおむね推測できることが分かった。
  • CHAO TE-CHUN, Lai Chih-Chun, Yu Ting -Yun
    セッションID: A1-06
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
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    最も代表的な顔化粧芸術に中国京劇の臉譜である。 臉譜は三種類の色彩(黒、白、赤)で演出役柄を区分する。本研 究はこの三種類色彩の臉譜に調査し、色彩の面積比例変化と視覚認知の関連性を研究した。研究方法はアンケート調査で 回答を収集して分析すること。研究結果は、三種類色彩の面 積割合により、人間に与えるイメージが違うことが分かった。
  • 児玉 彩, 佐藤 弘喜
    セッションID: B1-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
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    介護施設には要介護者の増加、介護職員の不足、要介護者への虐待、低賃金などの問題があり、解決するために待遇改善、人員確保、職員の負担軽減が求められている。しかし、施設では手書きによる記録方法が主でありこの方法で情報管理されており、非効率的である。よって、効率的に記録を取るためのツールによってスマート化された情報管理システムが導入されることが望まれる。
    本調査の目的は介護施設における構造化された問題点をもとに現場が抱いている真の問題点を明らかにし、記録システムにおいて有効な方法の要因を探ることである。方法はインタビュー調査や観察を介護施設で介護士・看護師に対し行った。
    その結果、インタビューから新人教育や利用者の自立に向けた共通認識を持ってケアをすることが重要だとわかった。そして観察を通して施設の建物の構造が作業や記録の効率に大きな影響を与えていることがわかった。以上から、効率的な記録ツールの要因は職員同士が上下関係の中で助け合い、自立支援に向けた共通認識を持つ必要があることと、ケアの合間に記録するため複数箇所にツールを配置することが必要であるという結論に至った。職員同士が共通認識を持つためには、新人とベテランの間での教育システムを用いたやり取りが必要だと考える。また、建物の構造や業務の流れの中でどこにシステムを配置するかが重要になってくると考えられる。そのため、今後はシステムの具体的な内容をまとめ、システム同士の関係性を整理し開発を進める。また、設置場所についての調査を進める。
  • クチコミの信頼性に関する研究
    中村 裕太, 佐藤 弘喜
    セッションID: B1-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
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    本研究は、対象をインターネット上のクチコミに絞り、クチコミの情報源としての信頼度を向上させる事を目的とする。クチコミの利用状況の把握や動機、意識、感情を得るためにアンケート調査やカスタマージャーニーマップを作成してきた。今回は、クチコミをテキストマイニングを行った。書き込まれている内容や情報源としての在り方について考察を行った。クチコミの対象はクックパッドのつくれぽとした。結果として、レシピの改善例や応用例が書き込まれたクチコミは、次の利用者に有益な情報として受け取られていると考えられた。また、クチコミに対する受け取り方の違いや意識の違いが生まれていた。よって、クチコミの情報源としての捉え方について意識の統一が求められた。
  • LIN YU, YING CHU
    セッションID: B1-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    The aged society is becoming an issue all over the world, causing the middle age nowadays not only have occupational stress to deal with, but also need to be taking care of the elders at home. However, IoT and the development of smarthome control system may be the solution to this problem. This research consists of two open-ended interviews which explore the life style and needs of the senior citizens in Taiwan and concludes what aspects do the caregivers consider the most important in daily life. The result will be used as the core in future smarthome control system designs, hoping to reduce the stress of the middle age caregivers and also improve senior citizens’ ability of taking care of themselves.
  • 松岡 慧, 前泊 秀徳, 佐藤 浩一郎, 寺内 文雄
    セッションID: B1-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
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    近年,ユーザの価値観の多様化に伴い,様々な仕様の自動車用内装材テクスチャが使用されており,それらをデザインする際には,多様な開発の方向性を考える必要がある.特に視覚評価において,その要求は高まる一方である.
     筆者らは,加飾フィルム樹脂仕様のサンプルを含む,多様な仕様のサンプルを用いて,官能評価実験を実施した.その調査の結果,「高級感」および「嗜好」に対し,主に影響を与える因子が「本物感」と「奥行き感」であることが判明した.そこで,今後は「奥行き感」を,物理特性を用いて定量的に扱うことを目指すこととした.

     本研究では,奥行き感と物理特性の関係性の解明のために,前報で奥行き感強化が高く,「杢目調」とクラスタリングされた合計8サンプル(木材と加飾フィルム樹脂,図1参照)に対して物理特性の測定実験を実施した.それにより取得した測定データと過去に実施した官能評価実験の官能評価データを用いた分析を行い,「奥行き感」と物理特性の関係を明らかにすることで,今後の開発の一助とすることを目的とする.
  • 受聴環境を調整するためのイヤーピースに関する研究(その1)
    平舘 勇馬, 白髪 誠一
    セッションID: C1-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
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    本研究は,コンサートホール等の音場においてアコースティックに受聴環境を調整できるイヤーピースをデザインするアルゴリズムを構築することを目的としている。本報では,集音型のイヤーピースを用いて行った室内音響測定の結果を報告している。
    実験に用いたイヤーピースは放物曲面に基づく形態で外耳道入口を焦点とすることで集音を行っている。音の方向に対する投影面積,形状および開口率を実験変数とし125Hz~4000Hzの純音と合成音に対する集音特性を測定した。実験の結果,投影面積が大きく面積要素が耳に近いほど集音効果が高いこと,面積要素の上下の位置については集音効果に影響がないこと,開口率12%程度では集音効果に影響がないことが明らかになった。
  • 小野澤 明良, 峯 英一, 村井 まどか, 木下 稔夫, 石堂 均
    セッションID: C1-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    AM(Additive Manufacturing:積層造形)は、意匠モデルやコンペ・展示会出展用モデルの作製に多く利用され、カラーモデル化が求められている。本研究では,光硬化性樹脂AMのカラーモデルの提供する目的で、AM基材に適した塗装技術の開発行った。前処理、塗料、塗装方法、塗装仕様と加工技術などの塗装適性の検討により、白色系の下塗りを行い、乾燥後に平滑に研磨する工程が重要であることがわかり、光硬化性樹脂AMモデルに活用できる物性と塗装外観をもつ塗装工程の開発をした。さらに、AMモデルをプロトタイプモデルとして有効に活用できる外観を実現することができた。
  • 竹村 昌太, 桑原 聡士, 土井 正, 浦崎 香織里, 高橋 俊也
    セッションID: C1-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    近年、レーザー焼結型積層造形装置を筆頭とした積層造形(Additive Manufacturing、以下AM)技術を生産機器として利用する動きが強まっている。
    東京都立産業技術研究センターでは、積層造形装置による機器利用事業を実施しており、意匠モデルやコンペ・展示会出展用モデルの作製を目的とした利用が多い。また、製品モデルとしても活用できる外観を得るために、作製した造形品へのめっきによるメタルモデル化の要望もある。AM材料は多種存在するが、アクリル系樹脂(紫外線硬化樹脂)を用いたインクジェット法材料噴射式による造形品は、他のタイプのものと比較して造形精度が高くモデル表面が滑らかに仕上がることが利点となっている。しかし、液状のアクリル系樹脂を紫外線光により積層硬化する工程を繰り返して製作する造形品は、表面の凹凸が大きくなり、めっきにより実際の製品と同様の外観・質感を得ることが難しい。また、アクリル素材は難めっき材料のため、めっきの密着性が低いという問題もある。
    本稿では、製品モデルとして活用可能な外観を得ることを目的として、アクリル系樹脂AMモデルへのめっきによる意匠性付与の検討を行った。
  • ペンジュラム・パターンの生成規則の数理モデル化による形体情報の観察・把握の方法(10)
    石井 宏一
    セッションID: C1-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
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    「ペンジュラム・パターン」は振り子の減衰運動の軌跡によって生じる形体である。かつては構成学で盛んに研究がなされたものの、種々の問題により現在では研究自体が下火になっている。本研究はペンジュラム・パターンの生成規則を数理モデル化し「球面上に拘束される質点運動」と同定、常微分方程式で記述す ることでその解消を図るとともに、非線形力学系の諸法則の活用による造形的性質を明確化することを主眼としている。前報までにおいてその解析手法として「分岐」と「同期」の有効性を確認したが、本報では引き続きその活用による造形的性質の明確化を試みたい。本報では特に、ペンジュラム・パターンの数理モデルから算出される質点運動及び加速度の振動波形に基づき、「分岐」と「同期」の観点からその生成過程及び造形的性質の解析を行った事例について報告する。
  • 田代 雄大, 青木 幹太, 西薗 秀嗣, 榊 泰輔
    セッションID: C1-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    昨年度、本学会にて起立介助・移乗介助を行う介助者の身体負担軽減のための介助用装着型補助具の開発について、介助用装着型補助具と既存の介助ベルトを使用して、要介護者を ①座位姿勢から起立させる動作、②椅子から他の椅子に移動させる動作を行い、その際の身体的な負担について介助者、要介護者の主観的評価を行った。その結果、介助用装着型補助具は介助ベルトを使った介助に比べて、身体負担の軽減に有効であることを報告した。
    本研究では、前年度の研究結果を踏まえ、介助用装着型補助具を利用したときの介助負担の軽減度合を 「椅子に座位した要介護者を起立させ、立位姿勢の向きを変えて、他の椅子へ座らせる」模擬的な3つの介助作業を行い、その際の介助者の筋電図と動作解析を用いて、介助用装着型補助具の有効性を検証した。その結果、介助用装着型補助具を使用した介助方法は、介助者の腰部負担の軽減に効果があることが明らかとなった。
  • Chien Chung-Ting, Lai Chih-Chun
    セッションID: C1-06
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    Hair straighteners are necessary tools for hairdressers; however, extensive use of such tools can cause damage to the hand. This study explored the handle shape and gripping comfort of hair straighteners. The handle was improved in terms of its diameter, width, and grip angle, and ergonomic experiments were conducted to compare the improved handle with those of commonly used straightener products. The results verified that the aforementioned improvement effectively alleviated problems concerning hair straightener use and enhanced the convenience and comfort of users. Therefore, the study results can serve as a reference for proposing new design that addresses the gripping comfort of hair straighteners.
  • 木内 正人, 松村 記代子
    セッションID: D1-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    印刷物に備わる情報は、文字情報と画像情報に大別できる。文字情報はいわばテキストデータであるが、文字そのものを目視するビジュアル、すなわち書体も文化的に重要な意義をもっている。独立行政法人国立印刷局(以下、印刷局)では、法令を公布するなどの役目を担う独自の書体を用いてきた、本研究では、主に官報を例に公用書体の誕生と変遷について述べるものである。
  • ― ラザフォード・オールコックの日本美術コレクションを中心に ―
    西垣 江利子
    セッションID: D1-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    19世紀後半に日本の美術品や工芸品が西欧美術界に引き起こした日本趣味は、ヨーロッパや北米の広い範囲に及ぶものであった。ヴィクトリア朝のイギリスでも、1862年5月から半年間にわたって開催された第二回ロンドン万博において、イギリス国内では初となる大規模で網羅的な日本の美術品や工芸品の展示が行われた。19世紀後半にデザイナーとして活躍したクリストファー・ドレッサー(1834-1904)は、陶磁器、ガラス・金属器、家具、壁紙など、生活空間を飾るあらゆる製品のデザインを手がけた人物である。第二回ロンドン万博会期中に日本部門を訪れたドレッサーは、日本部門の代表者であったラザフォード・オールコック(1809-1897)の許可を得て、展示物のうち約80点をスケッチし、万博終了後にはその一部を購入している。この万博を契機として、その後の彼の著述やデザインには、日本に関するものが多くみられるようになる。本発表では、ヴィクトリア朝イギリスにおける日本趣味の一側面を明らかにするために、第二回ロンドン万博日本部門の出品物とドレッサーのデザインとの関連について、具体的な作例を挙げながら考察する。
  • 石川 義宗, 禹 在 勇
    セッションID: D1-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    本発表は長野県の木工文化のひとつ「農民美術」(上田市)について、市の近代化という断層によって捉えることにより、その独創性と民芸論との違いを示す。農民美術は版画家・山本鼎(1882-1946)によってはじめられた運動だが、同地域の農民の間でおこされた「上田自由大学」との関係において産学協同の雛形とも言える連携があった。また、農民美術の運動は世界恐慌と第二次世界大戦によって約20年ほどの運動となったが、その息吹は戦後に復活し、発展し、現在に至っている。そのような成功をかんがみると、農民美術が地域社会に残したものは小さくなかったと考えられる。そこで、地域の近代化(西洋化)の中で発展した運動であること、養蚕産業の隆盛による豊かな市民文化が背景になっていること、山本が「児童自由画教育」を同時に行って近代美術を啓蒙したこと、また、山本自身も版画家から装丁家になり、構成主義的なデザインを行うようになったこと、以上の点から農民美術をデザイン史として捉え、農民美術の新たな様相を明らかにする。
  • 新井 竜治, 三島 美佐子, 吉田 茂二郎
    セッションID: D1-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、九州大学総合研究博物館が救出した歴史的木製家具の中から、木製標本棚、木製標本ガラス棚、木製事務用片袖机を取り上げて、これらに見られる同等品文化の特質を検討した。それらの同等品は、大略の形状、サイズ、表面材料が同じであるが、内部材料、細部構造、塗装色、附属品などが異なっていた。長い年月をかけて蓄積されてきたこれらの同等品の山こそが、九州大学における同等品文化の存在を物語っている。その背景には、備品台帳(カード式帳簿)が示すとおり、外形寸法と表面木材樹種以外は、製造業者・納入業者の裁量に委ねるという発注側の姿勢と、それを可能としてきた製造側の同等品製造能力とが存在していた。「教育環境の均質化」と「入札による購入金額の妥当性」との狭間において生まれてきた「同等品文化」は、学校用家具・事務用家具の主流が木製から金属製に移り変わる中においても引き継がれて、今日に至っている。
  • - ダイニングテーブルとダイニングチェアを対象とする -
    吉田 夏稀, 堀 涼太, 西田 智裕, 伊藤 孝紀
    セッションID: A2-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、心理的領域と動作領域を明らかにすることである。本研究は、ダイニングにおける着座位置調査、心理的領域調査、非対人場面および対人場面における行動観測調査、印象評価調査で構成されている。着座位置調査では、各家庭で使われているテーブルの天板形状と寸法、着座位置を把握した。心理的領域調査では、対人距離を変更し、3パターンの位置関係において印象評価をおこなった。行動観測調査では、モーションキャプチャを用いて、非対人場面と対人場面における動作領域を明らかにした。
  • 伊藤 誉, 西田 智裕, 伊藤 孝紀, 杉山 弓香, 伊藤 孝行
    セッションID: A2-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、 乳幼児における積み木遊びを対象として、会話と身体行為を含めた行動の分析を通して、合意形成にみる乳幼児の行動の傾向を探ることである。乳幼児の行動を明らかにするために、行動観測調査をおこなった。また、乳幼児の合意形成を把握するために、調査に参加した担任保育士に対して意識調査をおこなった。2つの調査結果の関係から,合意形成における行動を把握した。また、それら6つの行動の時間推移における分布から、年齢と行動の関係を把握した。
  • 場のコンポーネントの提示
    渡 和由, 三友 奈々
    セッションID: A2-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    プレイスメイキングは、一人一人の日常的な居場所を設える概念であり、米国では公共空間や商業施設で盛んにその概念の下にした再生が行われている。 近年、日本でも官民共同で賑わいづくりを達成できる方法として注目され、国土交通省や自治体の支援を受ける等して多様なイベントや飲食店等を導入した社会実験が各地で行わ れている。 一方、居心地の良さや楽しみといった魅力を得る前提として、犯罪不安がなく、安心感が担保されていることが、公共空間の再生・改善のためには必要である 。我が国では、監視カメラや壁による囲いが過剰になる例も見られ、それらに頼り過ぎることへの懸念が上がっている。2020 年に向けて訪日外国人旅行客が増加する中、防犯的な視点からのプレイスメイキング概念における研究を進めることが急務である。 本稿では、公共空間における防犯と居心地の良さの両立を目的とし、公共空間に必要な具体的な場のコンポーネント(各部分)について提示する。
  • 名古屋市久屋大通公園を対象として
    奥村 健一朗, 田淵 隆一, 福田 雄太郎, 西田 智裕, 伊藤 孝紀
    セッションID: A2-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、都市公園におけるイベントを事例として、来場者の意識と行動を把握することにより、空間特性を明らかにすることである。そこで、来場者のイベント空間における意識を把握するために、意識調査をおこなった。また、来場者の歩行速度と滞留時間を把握するため、GPS追跡調査をおこなった。意識調査では、来場者が感じるイベント空間の特徴を把握した。GPS追跡調査では、来場者の行動を定量的に把握し、滞留がみられた場所の特徴について把握した。以上より、心理的、定量的、空間的という3つの視点から、空間特性を明らかにした。
  • 広島市のデザイン協議から生まれたラッピングデザインの潮流
    柏尾 浩一郎, 森保 洋之, 大田 正樹, 伏見 清香, 坂本 貴寛, 藤坂 恵理菜
    セッションID: A2-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は、同市が試行錯誤で行ってきた同部会でのデザイン協議に基づく車体ラッピング広告のアウトプット記録と、今後への課題抽出を目的とする。ここでは、同部会の発足から現在(2018年3月31日)までに決定された車体ラッピング広告のデザイン的潮流について、5名の専門委員(1都市デザイン、2カーデザイン、3グラフィックデザイン、4色彩、5屋外広告など5分野の専門家)及び、同市担当部署が、各々の専門的立場で述べる。
  • その2 越前市岩本,大滝と浅草における調査
    池田 岳史, 川合 康央, 益岡 了
    セッションID: A2-06
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    海外から多数の観光客が日本を訪れ,更なる増加を目指し,観光地間の競争とともに,新規観光資源の発掘,開発も盛んに取り組まれている。

    前報では,観光に関連する情報誌などでもよく用いられる「かいわい」の概念について述べるとともに,そのかいわいを構成する要素の一つとしてのサウンドスケープの概念についても述べた。本研究では,空間的,観光的価値の向上を目指し,かいわいを構成する要素としてのサウンドスケープについて,その抽出と分析を行っていくことを目的としている。
    本稿では,かいわいを構成する要素としてのサウンドスケープについて,福井県越前市の旧今立地区(岩本,大滝)かいわい,東京都台東区浅草かいわいの事例を中心に分析結果を述べている。同じかいわいにおいても,季節や天候,時間帯によって,得られる音の種類や質は異なる。また例えば浅草寺の夜間のように観光客がほぼいない状況であっても,都会では大瀧神社のような静寂感は得られない。一方で大瀧神社のように音が少ない空間であっても,積雪の有無によって,より静寂感が際立つように感じる事例も確認できた。
  • 片倉 葵, 菊竹 雪
    セッションID: B2-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    近年、様々な種類のお菓子のパッケージデザインを駄菓子屋だけでなくコンビニエンスストアやスーパーマーケットなど近代の商業施設で目にすることができる。お菓子のパッケージデザインは真新しさや話題性、流行を取り入れながら日々新しいものへと変わっているが、その中でも販売当初から変わらないパッケージを使用しているお菓子が存在する。なぜ普遍的なパッケージデザインが長い間売れ続け、そのデザインが現代のデザインに淘汰されず残り続けているのかという疑問に対し、何か1つの法則を定めることでロングセラー商品として現代まで伝承されるデザイン手法が確立されているのではないかという仮説を立てた。ロングセラー商品であり世代を超えて認知度の高いボンタンアメを例に取り上げ、その背景色とモチーフであるボンタンの色面積比率を算出した結果、箱の規格に関わらずある一定の面積比率を保っていた。販売当初のパッケージと変わらぬ色の面積比率がロングセラー商品として残り続けている一種のデザイン手法なのではないかと考えられる。
  • 関 悠嗣, 張 益準, 桐谷 佳惠
    セッションID: B2-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、現代の日本人へ向けた新しい和柄文様を制作し、その手法を整理した。日本には数多くの伝統文様が存在し、それらは、文化や生活を反映しながら、日本人の身近なところで発展してきた。しかし、それらの伝統的な和柄文様は、現在では限られた場所でしか見ることがなく、現代の日本人にとっては身近なものとは言い難い。そこで、現代の日本人に、文様へ親しみを持ってもらうことを目的に、そのきっかけとなるような、新しい和柄文様の制作をおこなった。まず、現代の人々が文様に対してどのような印象を持っているのか等の調査をおこなった。次に、調査を参考に、文様の試作を重ね、今回制作する文様のモチーフと、その表現方法の検討をおこなった。本制作では、日本人の苗字をモチーフとし、それらを伝統文様と組み合わせて表現することで、新しい文様の制作をおこなった。今回は30種の苗字と7種の伝統文様を組み合わせて、計140種以上の文様を制作した。
  • 川野辺 晏実, 張 益準, 桐谷 佳惠
    セッションID: B2-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    現代人は目新しいものやメディアに取り上げられるものにばかり注目し,すぐに興味が移り変わってしまう傾向にあるといわれる.本研究の目的は,物事に深入りする面白さを示す一例として円周率を取り上げ,その視覚化作品の制作を通じ,得られた知見をまとめることにある.試作段階では,自分なりの切り口で円周率を表現していくことで,興味を引く表現を検討した.作品を自己評価し,改良をくり返すことで試作を進めた.自己評価については,基準となる項目を「独自性」,「円周率らしさ」,「意味深長さ」の3つに定めた.試作と他者評価を経て,円周率の本質である比を表現することが,面白さにつながるのではないかと考えた.本制作では,円周率の本質を明確に表現することを目標とした.まずは静止画を制作し,次に,よりわかりやすくするため,静止画をもとにして動画を制作した.ここで,どのような作品が本研究のねらいを達成できるのかを把握するため,制作した動画について評価実験をおこなった.実験結果より,円周率への興味を引く動画を制作するための手がかりを得た.最終的に,試作も含めて,作ってきたものをまとめた動画を制作した.
  • 永野 佳孝, 杉森 順子
    セッションID: B2-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    プロジェクションマッピングを実現するための基本的技術は、投影対象物の表面形状に合わせて映像を変形させて投影することである。曲面への投影やインタラクティブ性などがある高度な映像表現には、技術的ハードルの高い機器を理解して取り扱う必要がある。これがコンテンツ制作者の頭を悩ます問題となっている。本論文では、画像処理技術者と映像制作者とが共同でこの問題を解決するために開発してきたプロジェクションマッピングシステムについて報告する。
  • 笠尾 敦司
    セッションID: B2-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    街並みを水彩で描く場合、まず街並みの下絵線画を作り、その上に透明水彩で着彩していく。この際、下絵線画が完成したものであるとただ色を塗るだけの塗り絵のような作業になってしまい、絵を描くと言う意識が生まれにくく、個性的な表現にもなりにくい。一般に線画は輪郭抽出技術によって作り出されるが、輪郭抽出の変わりに、SIC(Sinergistic Image Creator)を用いて線画制作を行った。その結果、印象として人間の手書きに近く、且つ不揃いで抜けのある不完全な輪郭線で下絵を作り出すことができた。この下絵を使うことで塗り絵のような仕上がりの絵ではない個性的作品が作り出されるようになった。またこの下絵線画を機能的に利用する水彩画教授法を提案した。
  • 村田 恒
    セッションID: C2-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、今年度本校で実施した「PBL(project based learning)の質向上のための評価方法の検討」の内容と実施方法について報告する。「人間的な成長」と「デザインスキルの向上」をPBLの目的と設定し、その目的に対してどういった課題があるのかを洗い出すため、多面的な方向からの評価をまとめた。
    その結果、教員が見かけの成果に振り回されずPBLをデザインすることが大事であるということに気づくことができた。
  • 岩崎 敏之
    セッションID: C2-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    Paul Kleeがバウハウス、デュッセルドルフ美術学校に勤務していた際の論文や講義の草稿をまとめた『造形思考』には、彼の造形に対する考え方が数多く記載されている。本稿では、『造形思考』記載されている力学的なスケッチを切り出し、その意味することについて考察し、筆者が提示している体・相・用ー建築構造デザインモデル上での位置づけについて考察する。
  • 吉村 祐樹, 青木 幹太, 佐藤 慈, 進藤 環, 星野 浩司
    セッションID: C2-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    協同組合福岡・大川家具工業会と本学デザイン学科および住居・インテリア学科が連携した家具開発と開発した家具を広く公開する展示計画の教育的効果について、2014年から2017年の活動内容を踏まえて報告する。家具開発では、参加企業ごとに学生数名がチームを組み開発を行った。企業との共同作業により、家具に関する知識はもとより、計画力、意思伝達力など多くを学ぶ機会となった。2016年度から学部混合のチーム編成を取り入れた。デザイン学科の学生と関わることにより、プロダクトに関する一連のデザインプロセスなど、住居・インテリア学科では得られないスキルを体感することができた。展示計画は住居・インテリア学科が担当し、次年度への引き継ぎ及び上学年から低学年への指導効果も狙い、異学年のチーム編成とした。初めての実務経験の為、素材選定や納まり、予算など苦戦を強いられたが、企業の方々からの指導により実現した。2017年度は、3年継続して参加した学生がリーダーとなり、学生主体で実施できたことは協調性や統率力の育成など教育的に大きな成果であった。今後は、デザイン学科の学生も交えた展示計画など、連携を発展させていきたい。
  • CHEN JHIH-JIA, CHEN MING HSIU, LIEN JUNG HUI
    セッションID: C2-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    This study aims to investigate and compare the influence of multimedia teaching materials on the learning motivation of students in the industrial design modelling hands-on course. Taking the first-grade students of the Department of Industrial Design at Tatung University in Taiwan, with no prior knowledge of model-making hands-on course, randomly assigned a group of experimental groups for multimedia teaching, and the other class as a control group for traditional teaching. As a result, students receiving multimedia teaching become more able to accept challenges in the hands-on course and believe that they are capable to achieve the goal of skill acquisition in modeling making classes. Furthermore, students of the experimental group are willing to set higher goals, make more efforts and behave more aggressively and persistently in learning new concepts and solving problems when facing obstacles during skill learning.
  • 井上 智史
    セッションID: C2-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、等間隔なグレースケールからなる円形のシールを用いた描写課題の学習効果を検証するものである。初学者がおこなう描写には、ものの形を輪郭線で捉えてしまったり、白から黒までの明暗の関係を捉えることが難しいという特徴がある。そこで、白から黒までの等間隔の11段階の明るさからなる円形のシールを用いた描写を行ったところ、ものの明るさを把握し、ものを立体的に捉える能力の獲得に効果的だと思われた。
  • 吉田 傑, 細谷 多聞
    セッションID: C2-06
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、カッターナイフを使い始める児童に着目し、カッターナイフの習熟度向上を支援する教示方法を考案する。本研究の目的は、小中学校教員が児童に対して行う教育指導の内、「工作におけるカッターナイフ使用の習熟度向上に必要な教示要件を明らかにする」ことである。特に、道具の持ち方や注意事項だけではなく、「刃の移動と身体の動きの連動を教示することが、カッターナイフ使用の習熟度向上につながる」という仮説を立てている。具体的には、道具の持ち方や注意事項だけではなく、刃の移動に合わせて、身体の動きを連動させることが、習熟に必要な要件であると予想する。また、児童のカッターナイフ使用の習熟度向上には、児童と大人の身体特性から起こる動作の違いに着目して、児童の身体特性に基づいたカッターナイフの使い方や教示方法を考案する必要があると考える。本稿では、これまでに行った調査の経過を報告する。
  • 盲導犬とユーザーの快適な歩行の実現に関する研究(その6)
    井上 泰孝, 白髪 誠一, 赤井 愛, 田上 貴久美
    セッションID: D2-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、盲導犬とユーザーの安全で快適な歩行を実現するために、歩行時の盲導犬とユーザーの負荷の定量化を行い、その負荷を低減するハーネス、盲導犬からの情報をより的確にユーザーに伝達するハーネスの開発を目的としている。本報では、前報の歩行実験においてバランスの良い負荷となるy字型ハンドルの形状に基づいて設計領域を設定しBESO法による形態最適化を行った結果を報告している。
     設計領域は、y字型ハンドルのメインアームおよびサブアームを外縁とし、盲導犬の背中の形状に沿うような3次元曲面を設定している。有限要素解析に用いる要素はシェル要素でBESO法による形態最適化によってシェルの厚みの増減により形状を変化させる。材料特性はプラスチック材料を想定しヤング係数E=2000N/mm2、ポアソン比0.3とした。解析条件は3次元曲面の設計領域に対して面外曲げが大きくなるため、参考文献に示される条件よりも小さな条件値を設定した。要素除去率ER=0.06%、最大要素再生率ARmax=0.12%、影響半径rmin=14.0mmである。
     解析の結果、コンプライアンスは安定的に収束し荷重を伝達可能な形態を得ることができた。
  • 難波 祐成, 久保 雅義
    セッションID: D2-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    従来のナビゲーションシステムではカバーできない段差・勾配・障害物を記録し走行支援を行う新システムの開発のために、連続記録型のドライブレコーダーのproactive活用を用いて車いす利用者と健常者の動作の比較を行うとともに障害物の客観的類型化を行う。
  • 姚 李蒞, 安齋 利典
    セッションID: D2-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    人間中心設計(HCD)とは、利用者の特性や利用実態を的確に把握し、開発関係者が共有できる要求事項の下、ユーザビリティ評価と連動した設計により、より有効で使いやすい、満足度の高い商品やサービスを提供する一連の活動プロセスです。

    人間は生まれながらにして平等である。身体の大きさや身体機能の相違を理由に社会の差別を受けてはならない。以前足を怪我して、自由に行動できなくなったことにあります。日常生活の不便さ調査を実施して、様々な不便が山積していることを思い知らされた。そんな中で人々は我慢を強いられ、自分をモノに合わせながら生活している様子が浮き彫りにされた。
    よって、最近流行ってるApple Siri、Google home、Amazon echoなど製品を使ってるAIアシスタントと音声操作技術が利用して体の不自由な方と高齢者が使いやすいバリアフリー情報案内デバイスを作りたい考えた。
  • 地域中小企業のデザインマネジメント支援手法に関する研究(3)
    及川 雅稔, 安齋 利典, 柿山 浩一郎, 山田 良
    セッションID: A3-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    今日,ビジネス環境の大きな変化が生じる中,組織全体の文化を変え経営戦略として変革を起こす武器として,デザインへの期待が高まっている.一方,地域の中小企業等においても,自社の強みを活かし多様化・高度化する顧客ニーズに応える魅力ある製品開発等を実現するためには,デザインの戦略的な活用が極めて重要なテーマとなっている.地域の公設試験研究機関デザイン部門や行政などにおいては,デザイン導入・活用に意欲のある中小企業が,デザインの考え方・手法を学び効果的な実践につなげられるよう様々な取組を展開しているが,いまだに十分活用できていない.著者らは、デザイン導入・活用段階にある地域中小企業等が,現状のデザイマネジメント活動の盲点や課題を認識し,より効果的な取組に関する知識を得られるよう支援するためのツール等の提案を計画している.本稿では,本研究の先行仮説であるデザインマネジメント活動を捉えるフレーム「4×4デザインマネジメント活動モデル」の妥当性などを探るため,先行研究等の調査とともに,中小企業支援において経験豊富なデザイン事業者へのヒアリング調査を行ったので,その概要について報告する.
  • サービスデザインプロジェクトにおけるデザインスプリントアプローチの適用
    長谷川 敦士, 赤羽 太郎
    セッションID: A3-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    さまざまなデザイン手法を活用して事業を開発するサービスデザインは、企業や行政において活用されている。サービスデザインの手法は、基本的なユーザー中心の考え方に加えて、包括的な視点や、サービス利用も含めた体験全体の考慮などが含まれている。また、基本的に事業自体を企画するものであるために、持続可能性やオペレーションの最適化などの要因も考慮する必要がある。こういった多岐にわたる検討はそもそも探索的でありプロジェクト計画が立てにくい側面がある。さらにに加えて事業決裁者や利害関係者との合意も同時に進める必要がある。一方、2015年頃から、アジャイル開発の手法をデザインに応用したデザインスプリントと呼ばれるアプローチが生まれている。本発表ではサービスデザインをデザインスプリント形式で遂行するサービスデザインスプリント(SDS)手法を提案する。SDSにはいくつかの形式があるが、本発表のSDSは、6週間で課題やアイデアにもとづき具体的なサービスの企画と具体的なプロトタイプとをアウトプットする。本発表では、SDSの具体的なアプローチと、数十件のプロジェクト実施を元に得られた示唆を紹介する。
  • 異分野共創プロジェクトにおけるチームワーク評価シートの開発
    中部 主貴, 小橋 佳枝, 木谷 庸二
    セッションID: A3-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、大学生のグループワークの状態を「分化」と「統合」を測定する尺度を用いて検証し、コンフリクトの発生や当事者の満足度に影響を与える要因を明らかにすることとコンフリクトへの有効な対処を可能にするツール(チェックシート)の作成であった。進行中のグループワークに参加していた大学生に、自分たちのチームの分化と統合の達成度を測定する質問に回答を求めた。その結果を因子分析したところ、分化尺度に3つの構成要素(”モチベーション”、”差異の容認”、”信頼関係”)、統合尺度に4つの構成要素(”グループの指向性”、”モニタリング”、”コミュニケーション”、”相互理解”)が得られた。それぞれに正の相関関係が見られた。また、コンフリクトの発生には、課題の遂行に直接影響のある要素とチームの人間関係に関連する要素が影響を与えていることが分かった。これらの結果を反映したグループワークのチェックシートを作成し、検証実験を行ったところ好意的な意見を得られた。
  • プロジェクト型デザイン教育の導入期の方法論的特徴
    青木 幹太, 井上 友子, 佐藤 佳代, 星野 浩司, 佐藤 慈, 荒巻 大樹
    セッションID: A3-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    我々は2006年からプロジェクト型デザイン教育をはじめた。なぜならその当時、学生の志向の多様化への対応、実践力のある人材育成がデザイン教育に求められたからである。その対応策として、学部の連携、学科の連携、企業との連携をデザイン教育に導入した。本研究では、2006年から2008年までをプロジェクト型デザイン教育の導入期と位置づけた。なぜなら2008年は、福岡の伝統的工芸品「博多織」の振興を目的とした「博多織プロモーション」をはじめた年である。本研究では導入期に実施した学科、学部、産官学連携の成果から、プロジェクト型デザインの方法論的特徴を明らかにする。
  • 若い女性用洋服の事例
    井上 勝雄, 堀 いずみ
    セッションID: A3-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    今日、服装・インテリアのコーディネートは、デザインの大きなテーマで難題でもある。そこで、本研究では、若い女性向けの洋服のコーディネートを事例に、どのようなトップスとボトムスのデザインが似合うのかをアンケート調査を行い、その結果をコレスポンデンス分析し、得られた得点をもとにクラスター分析を行った結果、4種類のコーディネートのタイプが求められた。また、そのタイプのデザイン要素もラフ集合を用いて明らかになった。これらのコーディネートのタイプは新しいコーディネートをするときの有益な知識になると考える。
  • 佐々 知栄子, 宮澤 以鋼
    セッションID: A3-06
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    中小企業は国内外の厳しい競争環境に直面しており、国内・国際競争に勝ち抜くためには、新しい製品やサービスを策定するときに技術だけでなく独自のコンセプトやブランドを確立する必要がある。本稿では、このような中小企業を対象とし、ニッチ市場向けにポジショニングマップを用いた新しいデザイン開発の手法を検討した。新製品やサービスのコンセプトを、内包と外延の両方を定義し、ニッチな市場におけるターゲットと機能や外観に対比させて、新製品やサービスの市場とその機能や外観を同時に求める手法を提案する。
  • 地域・事業協創に向けたプロジェクトの手法・プロセス・活用研究(1)
    峯元 長, 土肥 真梨子, 後藤 康, 瀬戸 宏一, 久保田 夏子, 秋山 福生, 小野 健太, 渡邉 誠
    セッションID: B3-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    社会変化に伴い,企業は製品からサービス事業への転換が必要となり,短期事業から長期構想視点まで捉えた研究開発が必要となっていた。デザイン領域での産学共同研究の多くは,先生方々の知見享受と併せて,商品・製品開発における若者ニーズの収集や学生アイデアによる製品イメージ・表現の研究が中心であった。近年では,企業側の社会要請に応えるデザイン思考の活用から,都市開発やサービス事業での構想, 事業開発の手法やプロセスまでの共同研究に拡大している。しかし,企業側の事業関係者は,学生と年齢差があり,IT技術が浸透している若者世代を意識した開発や,異なる将来のありたい姿を捉えた構想検討が不足していた。本研究では,新事業から都市開発まで実施した産学共同研究において,若者視点での研究成果内容を整理・分類,時代背景や技術動向からの若者視点の把握・再定義を行い,産学共同研究の有用性を確認する事とした。特に近年の都市・地域構想やサービス・事業研究では,若者視点・活動が今後の都市活性化の重要な役割を担う事が確認出来ている為,オープンイノベーションでの協創に向けた取り組み方の研究まで行った。
  • 地域・事業協創に向けたプロジェクトの手法・プロセス・活用研究(2)
    土肥 真梨子, 峯元 長, 後藤 康, 瀬戸 宏一, 久保田 夏子, 秋山 福生, 小野 健太, 渡邉 誠
    セッションID: B3-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    近年の社会・都市・事業開発では,加速的な経済成長への期待と複雑な社会課題を背景に,社会システムの新規構築や再構築の要望が高まっている。2030年をターゲットに先端技術をあらゆる産業や社会生活に適用検討する動向から,官民連携により,技術の社会実装を具現化していく事業・都市開発が増加している。この動向に同期して,将来の都市や地域における事業構想策定に向け,自治体や事業者との協創活動を通じて全国各地の都市・地域開発へ参画してきた。しかし,過去の取組みにおいては,現状課題解決や将来機会創出が単発的で,中短期的の地域施策の検討が不足していた。また,検討内容も企画視点と現場視点の相互を同時に捉えられていなかった。更に,中短期事業化に向けては多様な関係者との連携が必要となるが,現状はデザイナーがプロジェクト全体検討の中心として不可欠な存在であり,参画負荷が増大していた。そこで,プロジェクト全体を俯瞰的に捉えられるプロジェクト企画概観の表象化モデルから中短期事業構想に向けたアプローチ方法を検討した。体系化された実行プロセスにより,関係者が相互関係を持ち推進できるスキームの研究を行った。
  • 地域・事業協創に向けたプロジェクトの手法・プロセス・活用研究(3)
    伊藤 誠也, 土肥 真梨子, 峯元 長, 後藤 康, 久保田 夏子, 富安 邦彦, 高橋 絢也, 熊谷 正俊, 鎌田 真希
    セッションID: B3-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    各地域において企業城下町の再生が問われている。企業のグローバル化,ソリューション・サービス事業戦略に併せて,研究開発も同期する傾向が今まであった。しかし,近年の国家戦略の方針では,地域活性化に向けた取り組みが特徴的に見受けられる。企業活動として国内,特に発祥の地については,持続的な成長を自治体と共に取り組む必要がある。立地する企業の研究所は,地域に根ざした研究開発やグローバル展開に繋がる地域ソリューション化に向けて実証実験等の機会がある。日立研究所の100周年プロジェクトを契機に地域・事業の協創手法・プロセスの活用,ビッグピクチャー創出を行った。地域における,技術・事業・ソリューションの将来像に加え,生活者・事業者・自治体視点でのサービスイメージを描く事として,2050年の地域の姿をシナリオ化した。同時に,日立市での自治体による地域の将来に向けた検討活動に併せて,研究技術による課題解決と機会創出に向けて議論,評価を行った。企業・研究所が,地域活性化に向けて,今後も継続的な地域・事業化の活動に取り組むしくみの検討を含めて研究を行った。
  • 浅野 花歩, 山崎 和彦
    セッションID: B3-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/21
    会議録・要旨集 フリー
    近年コンシューマー製品のIT化やAIの導入が進んでいる。ユーザーの行動の文脈を認識し、個人にカスタマイズされた製品やシステムが増加するといったように、急速に家電の世界で情報化が進んでいる。今後の製品開発はユーザー行動の文脈を考慮し、彼らの潜在的なニーズを発掘することがより一層重要になる。こういった分野に対応するには、開発に携わる誰もがユーザーを調査して文脈を意識することが必要不可欠である。しかし文脈を構造的に整理する手法は少なく、文脈を構造化する手法として代表的なコンテクスチュアルデザインにおいても、ユーザー調査の専門家の利用を想定した手法であるため、非専門家の利用には適していない。そこで本研究では家庭用の情報家電を対象に、非専門家が文脈におけるデザインを実施する際に直面する課題を明らかにした。その結果を踏まえて、文脈におけるデザインの課題点の対策として、非専門家のために改良した文脈におけるデザインアプローチの提案を行う。
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