抄録
今日の若い世代のユーザーは,数多くの電子メディア製品に包まれた生活を送っている。プロジェクターは,「映像」と「音声」を発する電子メディア製品の一つで,近年はレーザー光源,短焦点レンズ,映像表示システムの小型化,長寿命光源などの技術進歩によって,使い道は益々広くなってきている。現状の既存製品の多くは,携帯端末と連携できるが,携帯端末は単にリモコンとして使われていた。プロジェクターはIoT 製品としての機能が十分に発揮されているとは言えない状況である。
IoT機能を持つ製品には,単なる機能だけではなく,使用環境と使用体験の融和が一番重要と考える。ユーザーが使いやすい,有用性がある,そして面白さがあると思う製品は,ヒューマンセントリックなデザインの目的に叶っていると考える。単に IoT 機能を持たせるだけで,使用者のライフスタイルに溶け込まないのでは,ユーザーはこれを足手まといだと思い,最後は従来の製品を選んでしまう。
本研究の目的は,どのようなデザイン要素を含めた IoT プロジェクターがユーザーに良い「体験」を与えるかを研究し,製品デザインを提案することである。