抄録
本研究は、公立はこだて未来大学での「デザイン街に出る」プロジェクトの一環として進められている。本稿では、実際に街に出て進めているデザインプロジェクトについて、デザイン初学者がコミュニティの中での振る舞いを一人称視点で記述する試みから、当事者デザインの暗黙知を抽出する試みについて報告する。デザインプロジェクトの題材は函館市で開催された「愉快な料理学会」というイベントで、筆者自身がイベントを主催する小規模なコミュニティに参与し、誰がどのようにしてデザインが行われているかを明らかにする。筆者らはこのイベントのプロジェクトメンバーとしてイベントの開催を告知するチラシの制作や当日配布する冊子の制作などを行い、イベント終了後にその全体像を表としてまとめ、可視化し考察した。その結果、デザインプロセスにおけるプロジェクトメンバーの役割を読み取ることができた。また、その役割を担う要因を読み取ることができた。今後の課題として、テキストを含む暗黙知を外在化する方法を模索する。プロジェクトのメンバーや周辺の関係者にとっても解読可能な視覚化の方法や、視覚化表現を活用するためのメディアデザインが必要だと考える。