報告者らは,長崎ペンギン水族館(長崎県長崎市)で利用することを目的に,未就学や低学年の児童などを対象とした,スマートフォン向けマーカー型AR技術を用いた学習補助システムを開発した.これは,(1)長崎ペンギン水族館が飼育するペンギンをスマートフォンなどのデバイスのサイズに縮尺化して,羽毛の色や模様といった身体的特徴を精細に再現した3DCGのアニメーションと,(2)ペンギンの食事や排泄などの様子を単純かつ軽妙な筆致で描いた2DCGのアニメーションで構成したものである.そして,2020年2月8日(土)・9日(日)の2日間わたり,長崎ペンギン水族館で,「ARマーカースタンプラリー」と題して,この学習補助システムの社会実装に向けた実験を行った.そして,これを体験した人の中から,未就学や低学年の児童を連れたグループ40組を抽出して,報告者らが半構造式インタビュー調査を実施した.この結果,このような学習補助システムの提供が,低年齢者層には,興味や学習効果の向上などにつながるということが少なくとも追認された.