筆者は映像デザイン研究の準拠点として,「映像デザイン」という語を,1.コンテンツを志向する映像のデザイン実践,すなわち「映像をデザインする」ことと,2.デザインプロセスや人々との間に介在し価値創造を促すメディアを志向する映像の役割,すなわち「映像によるデザイン」と定義してきた。しかし,今日の様々な社会課題を踏まえ,デザインがそれらに寄与できる可能性を構想した際,映像がもたらす作用として2つの定義を別々に使い分けるのでは無く,これらの定義をむしろ統合するデザイン活動が必要では無いかと考えるようになった。本発表では,筆者が2016年から実践してきた岡山県・犬島での取り組み「犬島リサーチデザインプロジェクト」を紹介し,質的調査手法に依拠した映像利用に基づく統合型コミュニケーション・デザイン研究の可能性と今後の展望を試考する。