筆者らは、人の発想の直感性とコンピュータ処理の系統性、網羅性を相補的に用いた発想インフォマティクス(ideation informatics)の研究を行っている。個々人の独自の発想を生かすために、ある語から関連する語を想起する思考展開の連鎖において、語の想起は人が行い、コンピュータは想起された語群の中から、展開が発散方向に向かうものを概念辞書に基づき選択して提示し、人はそれを起点として次の語の想起を行うプロセスを提案した。さらに、ブレインストーミングなどで行われるように、複数名の発想の複合を活用し、グループ内の個々人の思考を発散方向に誘導するだけでなく、個々人の間の思考も相互に発散するように誘導することで、グループとしてより広い概念空間を探索できる方法を提案した。その方法をソフトウェアとしてPythonで実装した。「日本の新しいお土産を考える」というテーマでデザイン発想創出実験を行った。発散思考の誘導効果は確認できなかったが、人の発想の独自性を生かすこと、1名より2名で優れた解が得られる傾向は示された。