現代社会は世界規模でさまざまな課題に直面しており、博物館においても持続可能性は一大課題である。このような背景から、大学は持続可能な未来を育むための教育研究を発展させており、附置機関である大学博物館もまた学術・文化の拠点として、それに沿った活動を展開する必要がある。近年、海外の大学で博物館のモノを用いた教授法であるオブジェクト介在型学習(Object-based learning, OBL)が再考され、その分野横断的でインタラクティブな教授の利点に期待が高まっている。本発表では、まずオブジェクト介在型学習の歴史的経緯やその性質を紹介した上で、伝統的なオブジェクト介在型学習と再興的なオブジェクト介在型学習のあり様を比較し、新しく提唱された機能を踏まえたラーニングデザインを提案する。そのプロトタイピングとして、理工系大学博物館における浮世絵を用いたオブジェクト介在型学習の実践を紹介する。そして、現在までのオブジェクト介在型学習に関する論述をまとめ上げ、今後の実践に向けた示唆を得た。