主催: 日本デザイン学会
会議名: 日本デザイン学会第71回研究発表大会
回次: 71
開催地: 九州産業大学
開催日: 2024/06/21 - 2024/06/23
住まいのインテリアにおいて家父長の権限が強かった日本において、女性が介入できたのは、手芸によるインテリアという部分であった。戦後、日本ではインテリアの主役は女性となり、手作りのインテリア手芸とナチュラルな木材が特徴のアメリカンカントリースタイルが流行した。1990年代になると、男性もインテリアに関心を持ち始め、同時に女性は社会進出することで家庭的な表象であった子供っぽいアメリカンカントリーからの脱却を試みるようになった。しかし長らく続いたアメリカンカントリーの影響から女性たちが完全に逃れるのは困難であった。この時生まれたのが、モダンデザインもカントリースタイルも内包する「ナチュラル」というインテリアであった。本発表ではこのナチュラルスタイルを介在させた一般女性のインテリアの趣味の変容過程を、インテリア雑誌の記事から明らかにした。結果として、カントリーと親和性のある北欧モダンを内包した「ナチュラル」というスタイルを生み出すことで、女性たちは違和感なく男女ともに折り合いのつく新しいインテリア嗜好へと向かうことができた。