抄録
漆器は食器用洗剤で洗浄すると劣化しやすいと言われている.そのため,現在の漆器の洗浄方法としては,ぬるま湯で洗浄し洗浄後は柔らかい布で水分を拭き取る方法が推奨されている.しかしながら今日の生活習慣や食生活に合わせるためには洗剤の使用は避けられない.本研究は,今後の洗浄方法の検討に使用するため,光学顕微鏡による観察と重量から洗浄率を算出し,効果測定の方法の検討をおこなったものである.この結果,漆器の最適な洗浄方法は,弱酸性または弱アルカリ性の洗剤を使用し,その後水で洗い流し,マイクロファイバークロスで拭くことであると結論付けた.また,測定方法としては,重量測定による洗浄率のみではなく,顕微鏡による観察を併用する必要性について言及した.