抄録
本研究は、「雨」という気象現象を中心に、雨の物理現象を用いたインスタレーションの制作を通じて、人々の雨の日の情緒を喚起する環境を構築し、雨に対する美的関心を刺激することを目的とする。そこで本稿では雨音という物理現象がもたらす心安らぐ雰囲気に焦点を当て、環境がこの心の安らぎという情緒の誘発にどのように寄与するのかを考察する。また、雨音の体験の変遷とそれが反映する文化的背景を比較し、インスタレーションがどのように心安らぐ雰囲気を作り出すかという仮説を提示し、制作および展示を通じてその仮説を検証する。