抄録
本発表では、意識研究の「界隈」を「ほっつき歩く」ことを、1つのデザイン実践として捉えられることを提示する。意識研究は、主観的な意識体験とその生物物理的基盤との関係についての学際的分野である。まず、科学者と共に実践を行うことをデザインの視点から捉える基盤として「やって・みて・わかる」ことについての議論を紹介し、本発表では、科学の現場の「やって・みて・わかる」知について焦点を当てることを述べる。次に、「界隈」を「ほっつき歩く」ことによるデザインについて、実践のランドスケープの議論と、ランブリングデザイン運動の議論を参照し検討する。そして、実際に発表者が意識研究の界隈をほっつき歩いた事例として、意識研究の界隈への参加の事例、リアルタイムに幻覚をシミュレートしHMDで体験できる作品のデモの事例、ロボットの研究者と文化人類学の研究者と、共同研究を始めるまでの事例を紹介する。最後にこれらの事例では何をデザインされたのかについて、存在論的デザインの議論も踏まえながら考察し、出来事と共に自己がデザインされたことを論じる。