抄録
本研究は、プロトタイプの受け手が最終成果物をどのようにイメージするかを探究するため、低忠実度・高忠実度のデジタルプロトタイプを被験者6名に提示し、思考発話法で記録・分析を行った。その結果、(1)特定要素への着目→(2)経験や知識の想起→(3)完成像への投影という3ステップを通じて、受け手が不足情報を補いながらイメージを形成する構造が明らかになった。このモデルは、プロトタイプの忠実度や個人的属性などが解釈ギャップに及ぼす影響を体系的に把握する基盤となる。今後、幅広い文脈で適用可能性を検証することで、プロトタイプ活用時の評価や意思決定プロセスの精度向上が期待される。また、欠損情報の補い方を可視化し、開発者の意図と受け手の想定像のすり合わせを促す効果も見込まれる。