抄録
本研究は、北海道石狩市厚田区においてよそ者(地域の出身、居住者ではない人間)が地域住民と協働して子どもの居場所づくりを行うことで、地域にどのような影響を与えるかを明らかにしたものである。 厚田区では、少子化や地理的要因から子どもの遊び場や機会が限られ、行政の子育て支援も十分に活用できていない現状であった。そこで、筆者は区の集落支援員や保護者と共に子どもが「やってみたいこと、ほしいもの」を自ら創り出す力を高める居場所 「みんなの居場所 あつみん」を開設し、運営を行った。 活動を通じて、子どもの創造力は高まり、地域住民との交流促進も確認できた。また、よそ者(筆者・区外の人間)による特別講座では地域にはない知識や技術を子どもに提供できた。一方で、よそ者は「地域への関わり度合い」によって、提供できる知識や技術に違いがあることが分かった。したがって、筆者はよそ者の段階と役割を図式化し、各段階のよそ者がどのように地域に貢献できるかを示した。 子どもの居場所による地域の変容も見られ、保護者の主体的な運営姿勢は行政・地域組織の支援体制の構築につながった。本研究で示したよそ者の効果や段階、地域変容は今後より分かりやすく示すことでよそ者と地域住民の協働活動はしやすくなると考える。