抄録
本研究は、将来の進路をめぐる選択が「偏差値」や「安定」といった無意識の前提に縛られがちな中等教育において、「フューチャーズ・リテラシー」を導入したカリキュラムとその実践を研究したものである。生徒が自らの価値基準で未来を構想し、自身の将来の進路について、内省的かつ主体的に意思決定できるように支援することを目的として、「フューチャーズ・コーン」や「意思決定マトリックス」を用いた。授業では、「私たちは良き祖先となれるか」といった問いや「死ンキング」を通して、生徒が前提を問い直し、多様な可能性に触れることを促した。研究の結果、「フューチャーズ・リテラシー」は生徒の批判的思考力や長期的な視点を育む可能性があることが示され、生徒が望ましい未来を想像し、それを選び取る主体性を育てる助けになると言える。